“Sonnymoon for Two by Sonny Rollins”

 この生地は1950年代の生地をイメージして、岡山で糸からつくりました。経糸にロープ染色した20 番単糸、緯糸に20番単糸を使い、シャリ感をより出すために糸の撚りを強くしました。糸自体のムラにも特徴があり、着込んでいくうちに色のオチ感が楽しめる生地です。個人的にはシャンブレーの生地は洗わない状態の方がかっこよく見えると考えていましたが、今回は、洗った状態でもカッコよく見えるように、生地規格を見直しています。

 デザインは両胸ポケットの付いたオーセンティックなデザインに。左ポケット中にペンポケット、裾にミミ付きのガゼットを付け、背中と袖周りにはギャザーを入れました。カフスの成形は、ドレスシャツ同様にアールが付いています。裏側は補強のために芯止めのステッチが並びます。ステッチはすべて袖口の形状に合わせたラインを描くように丁寧に縫われています。

 ほかのcantateのシャツ同様に前立てを付けましたが、上も下も、俗に「乗せ前立て」という手法で縫われています。これは別に用意した布をチューブ状にして乗せながら生地を折り込みながら縫うやり方です。ラッパという金具をミシンに付け昔ながらのチェーンステッチで縫います。ボタンも白蝶貝のものを使い、手で縫い付けています。

 左胸のポケットの内側には昔のアメリカのワークウエアに見られるユニオンチケットに由来するポケットを付けました。ユニオンチケットとは、アメリカのワークウエアの組合を統括した認定証で、組合が1 枚1セントで販売し、それを縫い付けることを義務付けていたそうです。もちろん今ではそんなことはありませんが、縫製や仕様同様、そんな往年の時代に思いを馳せ、こんなディテールや当時の縫い方を蘇らせました。

Item:
Chambray Shirt
Number:
18AWCA0117
Price:
39,000
Size:
44,46,48
Material:
Cotton100% TAPE/Silk100%
Color:
INDIGO